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2020-04-30 13:58:00
秋田県大館市葛原
今から数百年前のこと、鹿角市大湯の草木に定六(さだろく)というマタギが住んでいました。
先祖の功労によって領主から”天下ご免”の狩猟免状が与えられ、領内はもとより他領や寺社内でも自由に狩りをすることができました。
定六の銃の腕前は、人並み以上にすぐれ、そのうえ子牛ほどの「シロ」と呼ばれる名犬が、猟のよき協力者として、そばにつき従っていました。
ある冬の日、いつものように「シロ」と一緒に猟に出た定六は、体の不調からカモシカを撃ち損じ、夢中で雪山を追いかけるうちに三戸城近くに踏み込んでしまいました。
銃声を聞いてかけつけた役人につかまった定六は、不覚にも猟に必要な「免状」を忘れてきたことに気づきましたが、申し開きもならず、死刑を言い渡されました。
シロは主人定六の危急を悟り、数十キロの道のりを一気にかけもどり、定六の妻にほえたてます。
ただならぬシロの様子に気づいた妻は、そこに残された「免状」と悟り、シロの首に、「免状」を結んでやると、シロは今きた道を主人のもとへ駆け戻っていきました。
シロが主人のもとに駆け戻ったとき、悲しや定六は刑が執行されたあとでした。
所払いを受けた定六の妻は、シロをつれて流浪の旅の末に、ここ葛原に落ちつきました。
しかし、間もなくシロの姿が見えなくなり、近くの山で死んでいるのが発見されました。
哀に思った村人たちは、その場所に社を建て、シロの霊をまつりました。
それ以来、集落の人々は忠犬シロの話を伝え、犬を大事にしてきたといいます。