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2020-07-28 21:51:00

ダンブリ長者 

鹿角市

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鹿角市には次のような伝説があります。昔、陸奥の国に流れる大きな川の下流の村に、信心深い娘が住んでいました。娘は日頃信仰している大日如来に、「どうぞよい夫をお与え下さい」と祈ったところ、或る夜、「お前の夫にふさわしい男はこの川上にいる。訪ね当てて夫婦になるならば、お前はまれにみる幸福に恵まれるであろう」というお告げありました。娘はさっそく川上に向けて出発しました。するとやがて、柴を刈る一人の若者に出会いました。見るとその若者が刈る柴は、一本刈れば二本に、二本刈れば四本に、と、その数が全て倍になるように見えました。「これこそ求める男に違いない。」と娘は思い、その若者の妻となって幸福な日々を過しておりました。そんなある年のお正月、夢の中に大日如来が現われて、「お前達は、実は私の化身である。今より川上に移り住み、田畑を開き民の宝とするがよい。」と告げました。夫婦は早速川を上り、”ここぞ”と思う所に住いを定め、毎日畑仕事にはげみました。そんなある日の事、畑仕事に疲れた夫がまどろんでいると、一匹の卜ンポが飛んで来て夫の口に尾を差し込みました。目を覚した夫は「今、わたしは、かつて口にした事もないほどのおいしい酒を呑んだ夢を見た。」と話します。それはトンボのせいだと聞くと、二人を誘うかのようなトンボの後を追いました。やがてトンボは、一条の芳泉が湧き出ている所へと二人を案内しました。「これこそ大日様がお授け下されたものに違いない」と飲んでみると、またとない芳泉なので、これを付近の人々にも分け与えました。これが万病をなおす霊酒だったため、次第に人々がこの辺りに住むようになり、米をとぐ水で川の流れも白くなり、いつとはなくこの川を米白川と呼ぶようになりました。これが現在の米白川です。夫婦は前にも増して幸福な日々を送っていましたが、何故か子宝に恵まれません。そこで大日様にお願いしたところ、美しい女の子に恵まれました。何年かたち、夫婦は人々から長者と呼ばれるようになりましたが、正式の長者の名称を得るため娘を連れて都に上りました。娘の美しさはたちまち評判となり、それが帝のお耳に達し、望まれて入内することになりました。娘は吉祥姫と呼ばれ、継体天皇の寵愛を一身に受け、お后の一人にまで出世をいたしました。叉、夫婦はトンボの別名、”ダソブリ”から、「ダソブリ長者」と呼ばれるようになりました。今でも長者の娘、吉祥姫の墓が、鹿角市八幡平吉祥院境内(秋田県鹿角市八幡平小豆沢40)にあり、吉祥姫が親をしのんで建立した大日堂は宮川に。トンボに導かれて夫婦が見つけた霊酒の泉が岩手県安代町田山に残っています。