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2020-07-30 21:57:00

八郎潟伝説 はちろうがたでんせつ

南秋田郡大潟村

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秋田県には十和田湖、田沢湖、八郎潟の有名な三つの湖がありましたが、八郎潟は干拓されいまはありません。この三つの湖にはかつてこんな話がありました。昔、とある山村に、身の丈七尺あまりもある、八郎太郎という若者がいました。ある日仕事に出かけ、いつのまにか奥入瀬の渓谷にわけいってIしまいました。腹がすいた八郎太郎は、川で岩魚をとり、塩焼きにして食べると、のどがひりひりにかわいてきて、たまらず谷川につっぷして水を飲みだしました。しかしいくら飲んでもかわきはいえず、三十三日間も飲みつづけ、気がつくと、火の玉のような目をした竜になっていました。もはや里にかえるごともならず、沢をせきとめて湖をつくり、そこの主になりました。これが十和田湖だということです。あるとき、湖に坊主がやって来て「わしは南祖坊というもの、熊野権現のお告げによって今日からここに住むことにした、おまえは出てゆけ」といいます。二人のはげしいたたかいが始まりました。南祖坊が、法華経八巻をとなえ九竜を生じさせて八郎太郎におそいかかれば、太郎も彼が人の世にいたときにつけた蓑の毛の一本一本を、小竜に変じさせてたたかいました。しかしついに八郎太郎は追い出されてしまいます。しかたなく住まいを捜して旅に出て米代川をくだり、格好の地を見つけて湖をつくりました。それが八郎潟です。ところで、仙北郡のとある村に、辰子という美しい娘が住んでいました。辰子は、永遠に美しくありたいとおもうようになり、夜ごとに大蔵山観音にかよいつづけました。百日目の夜、「この山の北にある泉の水を飲めば、おまえの願いはかなえられよう」というお告げをきき、辰子は山にはいり、泉を見つけます。かけよつてその水を飲みつづけたところ、竜になってしまったのでした。するとにわかにすさまじい雷雨がふりそそいで湖が出現し、辰子竜はそこの主になりました。この湖が田沢湖です。八郎太郎と南祖坊は、ともに田沢湖の辰子竜の美しさに一目ぼれしてしまい、ふたたびはげしくあらそいました。こんどは八郎太郎が勝ち、南祖坊を十和田湖においかえしました。その後、八郎太郎は辰子竜と深いちぎりをむすび、寒い冬のあいだは田沢湖にやってきて辰子竜のもとですごしました。このため田沢湖は冬でも凍ることなく年ごとに深さをまし、主のいなくなる八郎潟は冬になると凍りつき、年ごとに浅くなっていったと伝えられています。