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2020-08-03 14:14:00

小説「吉里吉里人」(井上ひさし作) きりぎりじん

この小説は、国益のためだといって経済を最優先させ、農業をないがしろにしてきた日本国に泣かされつづけた、吉里吉里の人達がとうとう業を煮やし、日本から独立宣言をするというものです。平泉王国の創始者、藤原清衡が岩泉の安家洞(あんかどう)に莫大な黄金を隠したとされていましたが、それが安家洞からではなく吉里吉里洞から発見され、この四万トン、じつに四十兆円に相当する金をもとに金本位制をしき、農業や医学を大切にし、「俺達ァ黄色人種でなく、好色人種だもんね」と国の建設を始めたのでした。しかし脛(すね)に傷をもついくつかの国が、不満分子に同じように独立されては大変だと吉里吉里国に工作員をもぐらせ、また日本国の自衛隊もくりだしてきて、わずか一日半でつぶされてしまいます。ところで小説の吉里吉里国は、南北の縁を欠いたお盆のような、さしわたし六キロほどの盆地で、東に丘、西に大きな沼があり、その間は百メートルにみたず、そこに東から国道四号線と北上川と東北本線が平行して通っているところで、地名は吉里吉里でも、残念なことに場所はいずことも特定できません。