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2020-08-13 10:06:00

山伏の話 やまぶしのはなし

高く澄み切った秋空に、「プオーオー」と鳴るホラ貝の音は、庄内に住む人々の胸の中に、日一日と深まっていく秋を、しみじみ感じさせてくれます。山伏がこのように町や村に、やまから降りてきますのは、十月二十七日から、十二月七日までのおよそ1か月余りの間の事です。これは、十二月三十一日から、一月一日の明け方まで、羽黒山頂の雪の中で行われる「松例祭」というお祭のために、寄進を受けて歩いているので、昔は家毎にお米一升の寄進をうけるならわしでしたが、只今では、お金になっております。このように、山伏が寄進を受けて歩くことを「松の勧進」、といっております。昔、まだ医学が発達しなかった頃は、病気になりますと、法力という不思議な力をもった山伏を非常におそれ、あがめておりました。そこにつけこんだのが、モグリの山伏、山奥深くこもって難行苦行をし、法力を身につけるかわりに、欲と悪知恵だけを身につけて、村里にやって来ました。人一倍大きなボラ貝を吹きながらやって来る、モグリの山伏は、効きもしないお祈りや、まじないをしては、罪もない村人達から、お金や品物をまきあげて行きました。今では、そのような山伏もいなくなりましたが、それからは、口先だけうまいことをいって、何も出来ない人を「大ホラ吹き」、と言うようになったといいます。この山伏姿も、明治五年、神仏分離令で、山伏の信仰のもととなっていた、修験道が廃止されますと、非常に少くなり、今では文化財的存在になってしまいました。