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2020-08-14 16:22:00

乞食法師 こじきほうし

鶴岡市金沢

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「金の沢」と書いて金沢と読みますが、海に迫った絶壁の、僅かな空地にたちならんでいる漁村です。ここを通りますと、海際に積みあげられている小さな木のくずか、目について参ります。この木のくずに言い伝えが残っております。昔、波のしぶきが岩をかみ、粉雪が舞い狂う頃、集落の人達は漁もなく、家の中にとじこもっておりました。そんなある日の夕方、吹きつける吹雪と一緒に、ある家にたおれこんだ乞食法師がありました。暖めてやろうにもたき物もたく、仕方なく家の人達は、雨戸をくぺて、乞食法師を暖めたといいます。やがて元気にたった乞食法師を、旅に送ったその日、ふと浜辺を見ると、沢山の木が流れついていた、ということです。それ以来毎年冬になりますと、沢山の木が流れつくと、土地の人達は言っております。言うまでもたく海流が運んでくる現象、三方を岩山に囲まれて、たき物集めに苦労するこの部落では、昔からこうした「話」を伝えて、無駄使いをいましめたのでしょう。