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2020-08-14 22:40:00

おぱこの伝説 おばこでんせつ

鶴岡市羽黒町荒川

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左右に続く百万石の穀倉地帯の、ここ庄内の里は、見渡す限り短冊型に整地された、水田です。紅のたすきに菅の笠、昔ながらの庄内おぱこが、野艮仕事に余念がありません。この辺りを三山詣りの道者が、白い衣に鈴をさげ、手甲脚紳にわらじぱきで、通って行ったことでしょう。こうした道者にまつわって伝えられる「庄内おばこのお話があります。「おぼこ来るかやと 田圃のはんずれまで 出てみたぱ おばこ来もせで用のない たばこ売りなどふれてくる」。昔、出羽三山詣りの道者で賑う、荒川集落の村外れに、八兵エという茶屋がありました。ここに”おばこ”と呼ばれる一人娘がおり、年の頃は十七、八、色白のうりざね顔に輝く瞳、かれんな口許、さながら山百合の精のような美しい娘でした。ここを通る道者達は、おぱこの顔を見ないと、三山詣りのかいがない、とまで大変な評判でした。ある時、おぱこははるばるお伊勢詣りに出かけ、海を渡る船の中で大時化(しけ)にあい、これはきつと、竜神に見込まれたのだ、と思ったおぼこは、自ら荒海に身を投じ、犠牲となって人の命を救ったのでした。こうして道者達は二度と、あの美しいおぱこの姿を見ることが出来なくなりました。