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2020-08-15 11:14:00

鳥海山伝説 ちょうかいざんでんせつ

大昔のこと、大きな鳥が、左の翼に二つの卵をかかえ、右の翼に一つの卵をかかえ、雲の彼方から飛んできて、羽前(山形)と羽後(秋田)にまたがる、鳥海山の頂に飛び下りました。そしてそこに巣を作り三つの卵をあたため始めたのです。ときおり叫ぶその声は、みちのくりはてまでも響き、野をかけるけものたちを、おびえさせました。やがて卵は三つともかえり、左の翼にかかえてきた卵からは鳥海山、月山両所大菩蔭が生れ、右の翼にかかえてきた卵からは、丸子親王が生れました。そしてこの大きな鳥は、いつしか人間の姿になり、この地方の先祖となったのです。それから幾年かすぎて、人々は荒地をたがやして米や豆を植え、貧しいながらも、平和に暮しておりました。その様子を見て、鳥から変ったその人は、ある日のこと、叉もとの姿にかえって、羽音もするどく飛び立ったかと思うと、北の峰の大きな池に沈んでしまいました。その池は山の中腹にあり、烏の海と呼ばれています。それからこの地方に住む人達は、決して鳥を口にしないようになり、また丸子親王の子孫は、鳥の姿を組合わせて、家の紋にし、それ以来この山を鳥海山と呼んでおります。