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2020-08-17 09:41:00

おばこの伝説 おばこのでんせつ

東田川郡庄内町

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百万石の穀倉地帯、ここ庄内の里は短冊型に整理された水田が続いております。緑の稲田では、紅のたすきに菅の笠、昔ながらの庄内おばこが、野良仕事に余念がありません。この辺りを三山参りの道者の群が、白い衣に鈴をさげ、手向脚絆にわらじばきで、通り過ぎて行った姿を御想像下さい。こうした道者にまつわって伝えられるのが、民謡「庄内おばこ」の歌物語です。「おばこ来るかやと 田圃のはんずれまで 出てみたば おばこ来もせで用のない 煙草売りなどふれてくる」昔、出羽三山参りの道者で賑わう、荒川集落の村外れに、八兵衡という茶屋がありました。ここの「おばこ」と呼ばれる一人娘は、年の頃一七、八、色白の瓜実顔に輝く瞳、かれんな層、まるで山ゆりの精のような娘でした。道者達の間では、おばこの顔をみないと三山参りのかいがないとまで評判されました。ある時おばこは、はるばるお伊勢参りに出かけ、海を渡る船の中で大時化に出合い、竜神にみこまれたおばこは、遂に荒波に身をなげて犠牲となり、人々の命をすくったのでした。それから後、道者達は二度と、美しいおばこの姿を、見ることが出来なくなりました。「おばこ来るかやと 田圃のはんずれまで出てみたば」おばこの面影をしのぶ道者達の思いは、誰の口からともなく唄われ、今の世まで唄いつがれております。